ひと頃昔なら、
「大の大人がユニクロの服なんて着るんじゃない」
なんてことが言われていました。
今では、ユニクロはすっかり定番ブランドとして定着した気がします。
ジーンズはリーバイス
ジーンズと言えば、まだユニクロが出てくる前の、私の若い頃は、
「ジーンズはリーバイス!」「リーバイスにあらずはジーンズにあらず」
と会社の先輩によく言われたものです。
とはいえ、若い貧乏サラリーマンにリーバイスは高値の花。
ワンランク値が下がるエドウィンにするか、当時隆盛を極めていたダイエーのノーブランドジーンズを履いていました。

ユニクロの”調度いい着心地”
時代は下って、50代を過ぎた平均以下年収のサラリーマンとなった私の普段着のジーンズは、ユニクロのスリムフィットの黒ジーンズ。3,980円
気が付くと約8年近く、たった1本のジーンズを履いていました。
とても気に入っていて、肌に合うというか脚に合うというか、とにかく着心地が調度いい。
ユニクロが、もはや国民服と思われるまでに成長したのも、「安い」より以上に「着心地が調度いい感じ」であるからではないでしょうか。
さて、私のお気に入りの黒ジーンズも、8年も使用しているとさすがに痛んできます。
膝は膨らみ、太もものあたりは生地が薄くなり色も白茶けてきました。
”これではただのさえないおじさんに見えてしまう”
などと、既にさえないおじさんのくせに思ってしまいました。
早速、我が住む街にあるユニクロへ出かけていきます。
お目当ては8年前に購入したスリムフィットジーンズ黒です。
サイズも変わらずウェスト76cm。
値段もきっと3,980円。
サクッと終わるはずの買い物でしたが…。
世間では”ブラックフライデー”期間。
店内は大勢の客が溢れています。みんな籠に大量に商品を入れ、レジ前には長蛇の列。
その列がメンズジーンズの棚の前まで繋がっている状況です。
私、歳はとっていますが、衆人監視の中、買い物が出来るほど図々しくはありません。
まあ、誰も見ちゃいないのでしょうけど、なんか、ちょっぴり恥ずかしい。
かつての「大の大人がユニクロ…云々」の言葉が、いまだに頭をよぎってしまうのです。
あまり人に見られたくないという、無駄な自尊心ですかね。
ユニクロがダメなら…
諦めも決断も早いのが50代の良いところ。
すぐに店を出ました。
ありがたいことに、私の住む町には無印良品もあります。
たしか、ユニクロと同じようなジーンズがあったはず。
駅中の店舗に入ると狭い店内に確かにありました。
スリムジーンズ黒。
でも、ここもまた客で溢れかえり、試着室にも列ができています。
”試着室に並んでいる姿を人に見られたくない”
という、またしても無駄な自尊心。
誰も見ていないのは承知していますけどね。
すぐに店を出ました。
試着恐怖症
話はそれますが、私は試着が嫌いです。とても苦手なのです。
なぜかというと、
- 候補商品を2,3点にして試着室に入る。まずここで緊張します。
- 中に入って試着する。この時、なぜか焦ります。
- 思っていたより履き心地が合わないと2着目、それが合わないと3着目となるのですが、その段階で既に汗びっしょりとなってしまうのです。
- 緊張が最高潮に達し、結局はろくに鏡をみることもせずさっさと長さを合わせて、そそくさと出てきます。ふ~、疲れた…。
といった具合に、試着だけでとても、とても疲れてしまうのです。
試着恐怖症とでもいいましょうか。
イトーヨーカドーでリーバイス
話をもとにもどしましょう。
さて、ユニクロ、無印良品を後にした私。
ありがたいことに、私の住む街にはイトーヨーカドーもあります。
確か紳士服売り場にジーンズ売っていた。
店内はユニクロ、無印良品と違って、閑散としていました。
なによりそこが、ありがたい。
ジーンズ売り場で見つけたもの。
それは、”リーバイス”。
イトーヨーカドーにリバイスか!!
50代にしてようやく名ブランド、リーバイスを履くことになるのか!!
イトーヨーカドーで…。
さて、閑散とした試着室でリーバイスのジーンズを試着します。
”ん~。なんだかよくない”
肌に合わない感、脚に合わない感、なんといっても調度いい感がイマイチ感じられないのでした。

結局、セブン&アイのプライベートブランドのジーンズのスリム黒を選択。
なんと、この商品は既に裾上げがされているもので、68cm、72cm、76cmから選べるという優れもの。
迷わず68cmを選択です。お値段なんと2,980円。
インディゴブルーの色のものを追加で購入。
2本買ってもリーバイス1着分にもなりません。
履き心地は、ユニクロよりちょっときつめに感じましたが、どうもそれは股下が浅めだからみたいです。
ついつい癖でおへその辺りまで上げようとすると、きつく感じるのですが、”腰で履く”感じに慣れてしまえば、ちょっとオシャレな感じがします。
慣れるまではおへその下がちょっとスースーする感じがありますが、とっても履きやすいですね。
50代になると、ブランド志向になる。その証拠にSEIKO腕時計やグローバーオールのダッフルコートを購入しました。中古ですが。
というわけで、今回はリーバイスのジーンズにするのか?と言えば、そうはなりません。
ユニクロでも無印良品でもない。
イトーヨーカドーのジーンズを履く50代になりました。
でも…、
着古したユニクロのジーンズ。
これがそのうち”ビンテージ”になるのではなかろうか?
と、捨てずに箪笥の奥にしまうのでした。



