東京散歩~駿河台、湯島、池之端、根津

ライフ

時々、仕事が終わってから散歩をして帰ります。

仕事で熱くなった頭をクールダウンさせるため。

乱雑に押し込まれた情報をシンプルに整理するため。

歩くことは考えることであり、物事を自分の都合いいように考え直すことだと思っています。

御茶ノ水は丘の上

よく歩くルートの一つが、

駿河台下→駿河台(JR御茶ノ水駅)→妻恋坂→湯島天満宮→池之端(不忍池)→根津。

この一帯は、JR御茶ノ水駅を頂点として丘のようになっています。

南は駿河台下からJR御茶ノ水駅に向かって北へ向かう上り坂です。

御茶ノ水駅を過ぎ聖橋を渡って北上すると下り坂となります。

御茶ノ水駅から西に向かうと神田川沿いに水道橋に向かって下り坂。

東に向かうと秋葉原へ向かって下り坂。

御茶ノ水駅は丘の頂上ってことになります。

駅南側は華やかな繁華街です。

明治大学、日本大学と学生の街でもあり、三井住友海上本社ツインビル、各種雑居ビルが存在するビジネスマンの街でもあります。

居酒屋、丸善、レモン画翠(画材販売)。

駿河台下の方へ下ると、楽器店が並び、駿河台下まで来ると有名な書店のビル、古書街、スポーツショップ(特にウィンタースポーツ系)が連なります。

まあ、日本の本の聖地であり、楽器の聖地であり、スポーツショップ(特にウィンタースポーツ)の聖地とも言えるでしょう。この地帯にあるスキー・スノーボードのショップは一年中スキー・スノーボードを販売しています。

なので、真夏にスノボーを抱えた人々がいる不思議な街でもあります。

忘れてならないのはニコライ堂

ロシア正教会の聖堂にして、国の重要文化財です。

明治・大正期の書物にもよく出てくる建物ですが、出来たのは1891年。

当たり前にありすぎて、あまり目立つこともありませんが、間違いなく御茶ノ水のシンボルと言えるのではないでしょうか。

神田明神から湯島天満宮の間にラブホテル

駅の北側は南側と比べると閑散としてきますね。

神田川に架けられたアーチ型の聖橋を渡ると、

東京医科歯科大学、順天堂大学病院、湯島聖堂、神田明神が鎮座しています。

神田明神は仕事始めにビジネスマンが大挙して訪れる、商売繁盛の聖地ですね。

あの大混雑振りには正直のところ辟易しますが、その忍耐が商売繁盛に繋がるのかもしれません。

坂の下となる妻恋坂あたりは、オフィスビルとマンション街となります。

この“妻恋坂”という名前が私は好きです。

由来は妻恋神社が近くにあることからですが、日本神話のヤマトタケルとその妻の話が元になっているようです。

妻恋といえば、群馬県に妻恋という名の村もありますね。

そこの由来もヤマトタケルとその妻だとか。

今ではなくなってしまいましたが、以前この妻恋坂に1軒のパン屋さんがありまして、この店の女性店員さんが可愛くて、しばし通ったものです。

 

妻恋坂を渡って清水坂を上ると人気のカフェ“サカノウエカフェ”がぽつんとあって、ここだけ店に並ぶ人が目立ちます。

この付近は静かな場所ですが、どういうわけかラブホテルが数軒あります。

どうしてこんな場所に?と昔から不思議です。

駿河台、秋葉原、湯島あたりの繁華街で盛り上がったカップルが、坂の上で過ごすということでしょうか。

酔った足にはちょっとキツイ上り坂だと思いますが…。

  

そんなホテルを横目に見ながら坂を上りきると、突き当たりに湯島天満宮があります。こちらは学問の神様と言われる菅原道真が祀られている受験生の聖地。

受験シーズンになると、受験生やその親達で賑わいます。

参道には出店もでて結構楽しめます。表通りに面していないので、穴場的なスポットですね。

とはいえ、作られたのはなんと458年ということですから、派手めな神田明神より300年近くも古いんですね。

湯島天満宮の東側にはストンと坂の下に降りる急な階段があります。

若かりし頃は飛ぶように下りたものですが、今ではちょっとおっかなびっくりです。

もしも転げ落ちたら、ただでは済まないでしょう。

上野は森なんです 

さて、坂を下りてちょっと北へ向かうと、上野の不忍池のほとりに出ます。

地名で言うと池之端

私はここから見る上野の森(上野公園の方角)の景色がとても好きです。

鬱蒼とした小高い丘の森という感じ。

ここに立つと

“僕はこの街が好きだ!!”と叫びたくなる、とまでは言いませんが、

“上野は森なんだ!”とは思います。

その背後にスカイツリーが見えるのもまたいい。

ですが、その手前に見えるホテルの巨大なロゴはちょっと残念かもしれない。

不忍池では、ジョギングする人、ブラブラ歩く人、ひたすら自撮りする人、ベンチで呆然としている人、身体を寄せ合うカップル…。

明治の時代の小説にも、よく不忍池が出てきます。

当時の人も同じ“上野の森”の景色を眺めていたのだなと思うと、変わらないものは大事にしなくちゃと改めて思いますね。

あのホテルのロゴは残念ですが…。

 

不忍池をのんびり歩き、不忍通りを地下鉄根津駅に向かいます。

上野動物園の不忍口があり、道を挟んで左側には大物芸能人が住んでいると言われるタワーマンションがあります。

西に向かって歩いて行けば、少しずつ坂を上って東京大学の森もありますが、そこまで足をのばすには、ちょっと歳を取りました。

根津駅にて到着して帰宅の途につきます。

散歩は楽しい

都会では常に新しいものが生まれていきます。

建物が作られ、壊され、また作られていく。

地下にたくさん穴を掘ります。海も埋め立てます。天高くビルを建てます。

破壊と再生の繰り返し。

その都度、見える景色は変わっていくのかもしれません。

でも、坂道は変わりません。

坂を削ってしまうことはしません。今のところ。

兎角に情報過多とスピードに押し流されそうな日々の生活の中で、時々、坂を上り、坂を下り、頭の中を整理整頓してくブラブラ散歩の時間は、なくしたくないと思っています。

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