50代の好物~バナナ

ライフ

一番好きな食べ物は?

と聞かれたら、”バナナ”と即答することにしています。

もちろん寿司も好きだし焼肉も大好き。カレーライスも大好きですが、いろいろ言い出したらキリがないし面倒なので、今では常に「バナナ!」と答えるようにしています。

50代になると、好物の受け答えもシンプルになっていきます。

バナナの歴史

さて、バナナの栽培の歴史ってどのくらい古いと思います?

その歴史はとても古く、紀元前5,000年前と言われています。

人間が栽培する植物としてはもっとも古いものの一つです。

ちなみに「バナナの木」とよく言われますが、バナナは木ではありません。

草です。

正式にはバショウ科に属する草で、高さ7~8メートルにもなる多年草なのです。

多年草ですから、産出地は赤道近くの場所。東南アジア、南米などの熱帯、亜熱帯地方で栽培されています。

よって、1年中収穫することができます。

大好きなバナナを1年中食べることができるのは、このためです。ありがたいことです。

日本での果物の消費量のダントツ1位がバナナである理由の一つも、1年中供給されるという部分が大きいのでしょう。

私たちが日ごろスーパーで買うバナナの多くは、フィリピン産、エクアドル産、メキシコ産、グアテマラ産ですが、世界でバナナの生産量のトップは圧倒的にインドです。続いて中国。

でも、インド産、中国産のバナナってあまり聞かないですよね。

これらの国のバナナはほとんど自国内で消費されているようで、私たちの手元に届くことはありません。

まあ、台湾バナナは以前は見かけましたが最近はほとんどみかけません。

これは戦後日本でのバナナ輸入が台湾バナナに限られていたため。

その後、エクアドル産、フィリピン産の安価なバナナが大量に輸入されることなり、台湾バナナは姿を消していったようです。

バナナは種なし

さて、バナナには種がないですよね。

元々はバナナに種はあったのです。

大昔に起こった突然変異によって種がなくなったのですが、その名残は残っています。

バナナを輪切りに着ると断面に黒い斑点のようなものがあります。あれが種の名残りです。

今でも品種によっては種が残っているものもありますが、果物として食べられるものではありません。種は大豆ほどの大きさがあって、ぎっしり詰まっていますから、主に料理用に消費されています。

バナナはどうやって増えるのか?

バナナは「株分け」によって増えます。

茎の根っこから生えてきた新芽を取り、それらを畑に植えることで増やしていきます。

種なし果物では、他にスイカやブドウなどがありますが、これらは人工的に作られたものです。

バナナは自然に発生した突然変異によるものですから、大きな違いですね。自然発生の突然変異で種なしになる植物は極めて稀だと言えるでしょう。

バナナ絶滅?

ただ、この自然発生の突然変異種とは、つまり自然に発生したクローンであると言えます。

つまりバナナは品種ごとに全て同じもの。一つとして違う個体はないと言えます。

これは、美味しいバナナを広範な地域で大量に生産できるという利点をもたらします。

ですが時に、このクローンであることが悲劇を生みます。それが病原菌です。

実は1950代にこの悲劇が起こりました。

その頃までに世界で栽培されていた主流種の”グロスミッチェル種”が病原菌によって全滅したのです。

全て同じクローンですから、ひとつの病原菌に感染すると全て1本残らず感染することとなります。

病原菌は瞬く間に世界中に広がり、グロスミッチェル種はほぼ全滅しました。(一部の国でわずかに残ってはいます)

これは、世界からバナナがなくなる!と言われるほどのインパクトを持ちましたが、”キャベンディッシュ種”がグロスミッチェル”に代わることで、バナナがなくなる脅威は去りました。

ただ、現在でも同様の事が起こりえる可能性はあります。

いつまた、今度はキャベンディッシュが絶滅するかもしれません。

そしてまた、新しい品種が作られるようになるのでしょう。

  

 

およそ70年前まで食べられていたバナナと、今私たちが食べているバナナは違う品種なんですね。

この”キャベンディッシュ”、日本で消費される約80%がこの種です。

私たちが口にするほとんどが、”キャベンディッシュ”ということになります。

他の品種としては、”モンキーバナナ””バレリー””台湾バナナ”などなど多数の品種があります。

甘い”バレリー”種

私が特に好きなのがこれ!

バレリー種です。

キャベンディッシュよりも甘味が強く感じます。

極端な言い方かもしれませんが、

ハチミツを練りこんであるよう

なほど甘味を感じます。

値段はちょっとお高めで、1袋300円ほどしますが、時々見かけると買ってしまいますね。

今回買ったのは30%オフでお得でした。

バナナは”たべごろ”が大事

先ほどバレリー種が甘いと書きましたが、バナナを食べる時に大事なこと、それは

”食べごろになるまで待つ”

ことなんです。

食べごろとは、皮に茶色い斑点(シュガースポット)が出てきたころ

買ってきてすぐは、皮は鮮やかな黄色で、触った感じも固く締まった感じ。

ここから2日ほどおくことで、より熟成してきます。それが茶色い斑点になって現れます。実も少しやわらかくなってきます。

ここが食べ頃。

実際、バレリー種を買ってきてすぐ袋から出して食べた時と、2日ほどおいて熟成させて食べた時では、その甘味が全く違います。

「ハチミツを練りこんだ」ようになるには、2日ほど我慢ですね。

20度くらいの常温で保存するのが一番。できれば”バナナスタンド”に吊るしておくのが良いですよ。

バナナスタンドは1,000円から2,000円で買えます。

ただ、夏場は気を付けなければなりません。室温が30度近くまで上がる状態にしておくと、熟成を通りこして痛んできます。皮が柔らかくなり過ぎて、バナナスタンドに吊り下げたまま、全部の皮がむけて中身がドローンと出てきてしまうこともあります。

夏場は紙袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れておくのが良いです。

バナナダイエット!

一時、”バナナダイエット”って流行りました。

1日の内、1食をバナナと水分に置き換えるというもの。

バナナは食物繊維が食べ応えがあるのに、カロリーが1本約86kcalですからダイエットに向いているのです。

ですが、誤ったダイエットはいけません。

私も一度、「お腹が空いたらバナナだけを食べる」ダイエットをやりましたが失敗しました。

詳細はこちらを読んでみてください。

近所にある八百屋さんに並んだ籠に入った大きな立派なバナナを見かけて、産地が気になった私は、思わず聞いてみました。

「このバナナ、どこのです」

八百屋のおやじさんは考えもしないで答えました。

太田のだよ」

どうやら東京の太田青果市場のことを言ったようです。

それ以上は何も聞けませんでした。

  

高級スーパーや、最近ではオーガニック食品専門のお店などで、見たこともないバナナに出会うと嬉しくなってついつい買ってしまいます。

バナナってみんな同じはずなのに、とてもワクワクさせられます。

タイトルとURLをコピーしました