50代の年収いくら?

ライフ

僕の年収は500万。

製造業、営業職、管理職。

多いか少ないか?

50代の年収平均は610万程度。男子に限れば660万というから、平均以下ではある。

とはいえ、不満はない。

 

住んでいる賃貸マンションの半分は会社の社宅扱いで、社宅でもなければ住めない(住まない)ようなハイクラスなマンションに住んでいる。職場へのアクセスは良い。妻と二人で3LDK。ベランダからはスカイツリーが見える。

朝昼晩にご飯を食べているし、毎日少しばかりのお酒も飲む。時々スタバでコーヒーも飲む。

月に1,2度は外食もする。近所の串カツ田中でキャベツと串カツをたらふく食べ、チンチロやってお得にサワーを飲んで喜んでいる。年に2,3度はちょっと高めな焼肉を食べることもある。

50代を過ぎて、物欲も減った気がしている。

身に着けるものはユニクロのジーンズとシャツだし、イトーヨーカドーだったりもする。

仕事着のスーツは既製品で、もう4,5年新しいものは買っていない。

最近買ったちょっと高価な物と言えば、SEIKOの腕時計くらいか。

ちなみにSEIKOでも「SEIKO コレクション」ブランド。中古で¥12,000(税抜)。十分高価です。

お金がかかる趣味事には興味を示さなくなった。

ギャンブルも時間の割に儲からないこと知っているし、近所をジョギングする分にはお金はかからない。

 

500万。

上を見たらキリがないし、下もまたしかり。

以前、会社の社内会議で「あなたにとっての仕事の意味は?」という質問を投げかけられたことがあった。一番に回答を求められ胸を張って言った。

「お金を稼ぐためです!」

場は白々となった。もっと優等生の回答を期待されていたのだろう。

例えば「会社の発展のためです」的な。

そのあとに30過ぎの若者がこう言った。

「仕事とは社会貢献です!」

場はもっと白けた。

 

結局、会議で何が決まったか覚えていない。

自分なりに、彼が言ったのは広義の「仕事の目的」で、僕が言い放ったのは狭義の「仕事の目的」なのだ、ふんふん。と密かに勝手気ままに納得した。

 

中小企業で働いていいるからには、今さら夢も見ない。

社長にはなれそうにないし、社長の年収を知ってしまってからは、なりたいとも思わなくなった。

残念なほどに少なかったのだ。

  

それでも仕事に夢中だったころもあった。

始発電車で出社し終電で帰る毎日。いや、始発で帰ってシャワーだけ浴びて出社するなんてことも、数えきれないほどあった。会社のソファーで眠る夜もたくさんあった。

ネクタイ鉢巻にして接待もしたし、土下座並みに頭を下げて路上で途方に暮れたことも、これまた数えきれない。

あの頃は給料のことなんて気にもしなかった。もちろん社会貢献なんてことも考えていなかった。

ただ夢中になって仕事をしていた気がする。

”昨日出来なかったことが今日出来るようになる”ことに夢中になっていた。

達成感も辛い事も、どっちもどっちでも良かった。

そしてある日、心が折れた。ポキっと音をたてて。

「うつ状態」の診断書とともに、数か月の長期休暇をとった。

おとなの夏休みとしてはちょうどよかった。

今は2学期の真っ最中。

相変わらず夢中になって走っている。「年収500万です!」と胸を張る…ことはないが。

 

  

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