
53歳の春。
突然、「バイクに乗りたい!」と思いつきました。
きっかけはYOUTUBEでバイクの走行動画を見たことに始まります。
ライダー目線で映し出される走行動画に、「楽しそう!」と思うと同時にはるか30数年前の記憶が蘇ったわけです。
時は1980年代。
バイク全盛期の頃です。(当時がバイク全盛期だったということは、最近になって知るわけですが)
ヤマハのRZがあり、ホンダのVTZがあり、草刈正雄がサーキットを滑走していた頃。
高校生だった私は、バイクに憧れました。
バイク雑誌を買いあさり、むさぼるように読みました。そして、ワインディングロードを颯爽と走り抜ける自分の姿を思い浮かべ、悶々と夢想にふけり、バイク好きの仲間と夜を徹してバイクのことを語りあったものです。
とはいえ、当時は3ない運動(バイクを買わない、乗らない、免許をとらない)が高校生の掟。(今でもあるのかな?)
卒業したら絶対にバイクに乗るんだ!!と鉄の意志を持ちながら過ごしていたのです。
それでも我慢しきれずに、アルバイト代でフルフェイスのヘルメットだけを購入し、部屋でバイクに見立てた布団に跨り、気分はワインディングロードを走っていたわけです。
当時で2万円でしたね。
あの時、部屋に入ってきた母親が、布団に跨ってヘルメットを被っている息子(バカ息子?)の姿を見て悲しそうな顔をしていたのを、今でもはっきり覚えています。
とはいえ、いつの時代もティーンエイジャーとは不安定で脆くて、つまりは飽きっぽくて、高校を卒業する頃にはすっかりバイク熱も冷めてしまい、せっかく買ったフルフェイスのヘルメットも使われることなく放置されていくことになりました。
20代を過ぎて四輪の免許を取得し、車に乗るようになるとバイクのことなどすっかり忘れて「車サイコー!」な人生を歩んでいくことになります。
それから30数年が経ち、ユーチューバー達の走行動画を見ながら、かつて夢見たワインディングロードをバイクで疾駆する夢が再び沸き起こったわけです。
「バイクに乗りたい!」
さて、バイクに乗りたいと思ったものの、大事なものがありません。
そう、免許です。
そもそも、50代でバイクの免許とるのって?法律で許されるのか?いや、それはいいとしても体力的に許されるものなのか?許されたとして自分の体力で可能なことなのか?
様々な疑問をネットの情報で検索した結果辿り着いた結論。
「もうギリかもしれない」
年齢的に今を逃したら免許をとれないかもしれないし、仮に免許は取れたとして、実際バイクに乗る体力もなくなってしまうのではないか。
そう思うと居ても立ってもいられない焦りを感じました。
(まあ、今となってはそんなことはないと思っていますが)
直ぐにでも免許を取りにいかなくちゃ!!
と、家に近い教習所から当たっていきますが、何やらバイクの教習についてはとても混雑している様子。コロナ禍にあってバイクの需要が高まっているということで、申し込みから教習開始まで2カ月待ちは当たり前の状況下にあることを知り焦ります。
それでもなんとか一番早そうで値段も手ごろな教習所を見つけて速攻で入校手続きを済ませました。
ちなみに費用は全て込みで¥110,000(税込み)ほど。
もちろん延長料金(補習料金)は見込んでいません。
7月の末に入校手続きをして、教習開始が8月13日から。
「ヤッター! バイクに乗れる!!」
お恥ずかしい話ですが、この時点で、既にバイクに乗れるのだとすっかり勘違いしていたのですね。教習で何をやるのかとかは考えもせず、教習所にお金さえ払えば免許が貰える!くらいに軽く考えていたのです。
17時間の技術教習と1時間の学科教習が終われば、手元にバイクの免許があるのだと…。
気分はすっかりワインディングロードだし、グーバイクで乗りたいバイク(買えるバイク)を探して選ぶ毎日。
今となっては幸せな一時だと思いますね。まあ、そんな時期も楽しくて良いのですけど。