50代の初恋~きっと誰にでもある甘く切なくほろ苦い 葵わかな

ライフ

50代にして初恋をしたという話ではありません。

きっと誰にでも、甘く切なくほろ苦い初恋があるでしょう。

40数年前、同級生に恋をしました。

もちろん片思いです。

小学2年生でしたから、8歳だったでしょうか…。

 

特別に仲が良かったというわけでもなかったと思いますが、なぜかいつも隣の席にいたという記憶が残っています。

その後、クラス替えで別のクラスになり、知らない間に彼女はどこかへ転校していってしまいました。

本当ならここで、思い出らしいものもなく、終わった恋でしょう。

ところがどっこい、彼女は中学2年の時に再び転入してきたのです。

きっと、親の転勤か何かで一時的に引っ越して、再び戻ってきたということだったのだと思います。

  

再び、初恋が始まります。

ですが、再びところがどっこい、今度は私が転校することになります。

隣の学校でしたが、親にすがりつきましたね。

”転校したくない!”

どこで覚えたのか”教育委員会にお願いすればいい”なんて言い出し駄々をこねました。

理由が初恋なんて、口が裂けても言えませんでしたが。

もちろん叶う願いではありませんでした。

  

まだ、あきらめません。

”同じ市内に住んでいるのだから、同じ高校に進学するかもしれない。”

受験勉強を頑張ったのは、共学の高校に入りさえすれば彼女に再び会えるかもしれない、という純粋なる邪な思いも少なからずありました。

そして、合格。

入学して一番最初にしたことは、入学者名簿に彼女の名前を探すことでした。

恋は盲目。目は皿になりましたけど。

あえなく敗退。

 

さて、ここで本当に終わるべき恋だったのですが、年に一度の秋祭りの日、街でセーラー服姿の彼女の姿を見かけてしまいました。

ドッキューン!!

という音が胸の奥でしました。

  

もうダメだ。この熱い胸の思いをどうにかしなければならぬ。

と、生まれて初めてラブレターを書きました。

小学生3年にクラスが分かれてから、言葉も交わしていなかったので、まずは「自分はこれこれこういう名の者ですが、覚えていらっしゃいますか?云々…」から始めなければならないラブレターでした。

たしか2、3枚書いたと記憶してます。

ファンシーな封筒に入れて投函。

毎日毎日、帰宅してはポストを確かめました。

郵便物は着ていなかった? もしや間違えて捨てたりしてないだろうねえ。母さん。

勝手に中身読んだりしてないよね。兄ちゃん。

恋は疑心暗鬼。

  

 

2週間経っても返事はこず、電話をする決心をします。

寒い日でした。11月11日。

電話に出たのは年配の男性でした。

「お、お、お父さん!」

とは言いませんが、名前を名乗って彼女を呼んでもらいました。

まあ、結果はあえなく予定通りの「ごめんなさい」でした。

 

後日、私はこの日のことを

「15の夜」

名付けました。

バイクは盗まなかったけれど、県立図書館の入り口にある電話ボックスでしゃがみこんでいた夜です。

私は15歳でした。

きっと誰もが持っている、甘く切なくほろ苦い、初恋の思い出です。

そんな初恋の事も、すっかり忘れて歳を経ていきます。

20歳を過ぎてからは、恋愛をして、愛憎劇もあって、懲りもせずにあれやこれや…。

やがて結婚して、離婚して、放蕩して。

 

やがて再婚して今に至ります。

ありがたいことに、「今幸せです」と言える人生です。

50代。

初恋の思い出なんてすっかり記憶の彼方に消えていましたが、コロナ禍が思いもよらない事をもたらします。

 

自粛、リモートワークによる自宅で過ごす時間の増加。仕事激減の為の暇な時間。

この機会を利用して自室の整理をしようと開けたのは、ずっと段ボールに入れっぱなしにしてあった若き日の日記帳でした。

冊数にして10冊ほど。

10代の頃に書いていたものです。

黄ばんだノートには、当時溢れて出ていた感情が殴り書きされておりました。

多感だったんですよね、10代の頃って。

そして、先ほどの初恋の思い出が蘇ったのでした。

日記にはその頃の思いが切々とクドクドと書き連ねられていました。

 

”ああ、自分はこんなに汚れてしまった…”という思いもありますが、

そんな都合の悪いことは放ったらかし、初恋の彼女の面影を記憶の中に探します。

こうなったら止まりません。

当時のアルバムを引っ張りだし、彼女の姿を探しましたが、ありません。

卒業アルバムは、それ自体がありません。

実家の母親に電話して、

「そっちに小学校の時の写真とか卒業アルバムある?」

「そんなものあるわけないでしょ!何回引っ越ししたと思っているの!」

「引っ越し」とは思い出の品々を無くしていく、いわゆる一つの通過儀礼なのかもしれまん。

いやいや、違う。

結局、彼女の姿は自分の記憶の中にある朧気な姿だけでした。

”僕らはいったいいくつもの思い出を失ってきたんだろう”

コロナ禍の空を見上げて、

人生とは決して戻ることの出来ない時間の流れなのだなあ、

としみじみと黄昏るのでした。

そんな、空虚な(大げさ)日々を過ごしていたある日、テレビである女優さんを見かけます。

葵わかな

似ている…、初恋の彼女に。

鼻の形、目、顎のあたり。

 

胸が躍りましたねー。

正直、芸能関係はあまり詳しくないのですが、ネットで検索しまくりました。

ほうほう、へえー、ふむふむ。

NHKの朝ドラ、ヒロイン。

へー、ほー。

見れば見るほどそっくり。

まあ、あくまで記憶の中の人ですから比べようもないのは事実ですが、とにかくもう、そっくりなんです。

あまりに似ているので、もしかしたら初恋の彼女の娘ではないだろうか…と、

再び検索しまくりましたが、そんな情報あるはずもありませんです、はい。

 

人類の起源がはるか16万年前のミトコンドリア・イブから始まると言われていますけど、葵わかなと初恋の彼女は絶対同じ系統だと思いますです、はい。

それでもって、買ってしまいました!! 

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葵わかな オフィシャルカレンダー!!  ¥2,200 + 送料

買ったあとで気づいたのですが、2021年4月~2021年3月ものでした。

あれれ…、もう2021年も終わろうとしているのに…。

でも、いいのです。

思い出は、時にお金で買えるのです。

  

何やってんだ? 50代のリアル。

コメント

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