50代の靴。超幅広ビジネスシューズを探して。

ライフ
幅広靴

たどり着いたのは6Eです

私の足は超が付くほど、異常なまでに幅広い。足が、まるで扇子のように広がっているのです。

学生まではスニーカーや布のズックだったから、あまり気にならなかったのでしたが、社会人になって革靴で歩き回るようになってから、自身の足の幅広を自覚することとなりました。

仕事は営業職。当時はまだ”営業は足で稼げ”と言われた時代。朝から晩まで歩き尽くしてました。

1か月もしないうちに両足の親指・小指の肩のあたりが靴に当たって痛いことに気づきます。靴の幅が足囲と合っていないのは明らかでした。靴のなかで足の裏が縦に折り曲がっているのです。


その頃は、”靴の方が広がってくれる”と信じて我慢して履いていたのですが、まるで改善することなく、半年くらいで両靴の両サイド(親指・小指の肩が当たる部分)の本体が靴底から離れて穴があいてしまいました。小指がその隙間から外に出ようとしている…。

 

まるでアスファルトに咲く花のよう…?


雨が降ると靴の中は水浸し。末期になるとビーチサンダルの態でした。追い打ちをかけるように、水虫になり…。

これは事実。トホホ。


それからは新しい靴を買う度、あれやこれやと試してみました。方々の靴屋を回りました。当時はまだネットで情報を探すなんてことは不可能でした。靴屋の前を通る度に品揃えを伺ってみたり。

時々「幅広」とうたっている店をみつけても、「4E」程度。4Eでは全く話になりません。仕方なく、サイズを上げて少しでも幅のある靴にするしかない。本来の足長は26cmですが、26.5cm、27cmの靴を履きました。当然つま先がゆるゆるになるか、踵ばブカブカになるか。

 

まるでアヒルみたい、となります。


それでも痛い。よって、電車で座れると必ず靴を脱いで足を半分だして休ませる。立っている時も、片方の靴を脱いで交互に休ませました。おかげで靴下は踵からいつも破れていきました。公園のベンチに座れば靴の上に足を投げ出して休む。


靴屋に相談もしてみました。店員は初めこそ「まかせてください!」的な対応をしますが、測定値をみて首をかしげ、いくつかの靴を出して履かせてみては首をかしげ、最後には特注品を勧めてきました。

おいくら? 5まんえん? 

無理。

同僚にも相談しました。何人かでそれぞれの足の幅を比べあったりもしました。

”おまえ、2倍くらいあるぞ! 人間の足か?”

 

自分の足幅を呪うしかない。これは地球人のモノなのか…。ただのデカ足の方がまだいい。


なんとなく幅広っぽい「ローファー」がいいんじゃないか、ということになって、しばらくローファー生活を送りましたが、あれは平べったくて幅広に見えるだけで所詮は4Eでしかなく、素材ががとても固いので融通(少しでも伸びてくれれば)も効かない。ただ、脱げやすいという点で、足を出して休ませる時に関してだけは優れものではありました。

もはやサンダル扱い…。


靴のおかげで靴下の踵は破れまくるは、人間の足ではないような扱いを受けるは、座っては靴を脱いでしまうは、アスファルトに咲く花のような足の小指になるは、おまけに水虫にはなるは…。靴ってとっても大事だと思った次第です。

”もう営業止めようかな”サンダル履いて仕事をしている会社の内勤の人たちが羨ましかった。

そこまでして幅広に悩んできた私が、ある日出会ったお店が、

『神田 リズム靴店』

冴えない店構えの普通の靴屋ではありました。

まあ、神田の街自体が冴えないというか、あか抜けない街なので、とても商店街になじんだ店構えであったのですが。

ちなみに、冴えない街神田が私はとても好きなのです‥‥。

そんな神田の商店街を歩いていて目に飛び込んできた「6E」の文字。目を疑いました。


6E!!!

出た!

速攻で入店すると、ひと棚まるごと「幅広」のコーナーがあり、「6E」「5E」の文字が躍っている。品揃えも10種類以上あった。自分のお気に入りのデザインもありました!!

料金も¥9,800~¥15,000程度。アリアリアリ!ありです!。

いつものクセで大き目の26.5cmをお願いすると、さすが靴屋のベテランと思しきおじさんは、「26cmで十分ですよ!」と言い切った。よく見ている。

実際、26.5cmを履いてみると長さは余るが幅はちょうどいいかな、くらい。

続いて26cmに足を入れると、長さはピッタシ、幅もピッタシ。

ワオ!!!

嬉しくでその場で飛び上がりたいくらい。ピョン!ピョン!

¥9,800即決購入、しようとしたら財布のお金が足りなくて「すぐおろしてきますから、これとっておいてください」とATMへ走ったのでした。

おじさんはニコニコ笑って「大丈夫ですよ!在庫はありますから」と優しく言ってくれたのでした。

 

すごいぞ!神田 リズム靴店。

ちなみに、おじさんにこれ以上幅広の靴はありますか?と聞いたら、さすがに6E以上はないですね、という回答だった。それ以上幅広くすると靴としての形を成型できなくなるようです。物理の問題?

その夜は嬉しくて嬉しくて、靴を履いたまま眠りたかったくらい。

 

もうすぐ40歳になる頃の感動の出会いだったのでした。

40歳でピョンピョンもないのですが…。


もうひとつちなみに、「5E」の靴であっても甲高に作られている靴もあって、同じサイズでほぼ6E並みの履き心地でした。
とにかく、私の「マイ ベスト ショップ」、「マイ フェイバリット ショップ」、「マイ プレシャス ショップ」、「マイ オンリーワン ショップ」

『神田 リズム靴店!バンザイ』


あれからずっとお世話になっております。ありがとう。

足で稼ぐ営業。どこまでも歩いていきます。

時代遅れか。

コメント

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